3人とは(1)三島由紀夫、(2)夏目漱石、(3)川端康成。スタッフの1人がおそるおそる聞いてきます。「あのー、川端康成ってだれですか?」

……「これでは、川端を大江健三郎に変えても同じだなあ」と思って、全く違う問題に変えました。

「以下の3人の中で、ノーベル賞有力候補は誰でしょう。(1)又吉直樹、(2)半沢直樹、(3)村上春樹」

 これだと学園祭スタッフは全員正解でしたが、肝心のミスコン候補者の1人は、「半沢直樹」と答えました……。

「悪魔のような仕事」を
引き受けた宮城谷昌光

 小説は若者からどんどん遠い世界になっています。ですから、英語で授業をするより、実はどこまで若者に通じるかを考えながら授業をする方が辛い、そんな感覚です。

 しかし、私の授業を受けた学生たちは、この人の名前をよく覚えていると思います。宮城谷昌光さん。宮城谷さんは、私が一番ご迷惑をおかけした作家です。本稿を目にされたら、「トンデモ担当者が会社を辞めてから、またコラムを書いた」と叱られるかもしれません。

 宮城谷さんには「作家が文章にここまでこだわるのか」ということを思い知らされました。たとえば、宮城谷さんの文章上達術。なんでもいいから、400字1枚、いろんな本、いろんな作家をただ写すのだそうです。

「そこから、文体を盗んだりするのではありません。写してゆくと、すごくしっくり写せる作家に出会うはずです。それは、その作家の息づかいと自分の息づかいが一緒だから」