ペニシリンの発明以来、最も重要な医薬品の価値はどの程度になるのか? 投資家にとっては人それぞれだろう。もし、米製薬大手ファイザーの株を買い入れているとすれば、その答えはそれほど高くはないということになる。新型コロナウイルス予防ワクチンの開発で、同社は製薬大手の先陣を切って高い有効性が確認されたと発表した。だが、株価は年初来、マイナス圏に沈む。ライバルの米モデルナが同様にワクチン候補の治験で強い予防効果が見られたと発表し、大きく売り込まれた16日以前の段階でさえ、株価は低迷していた。状況はさらに悪い。製薬セクターの株価は今年、米市場全体よりも見劣りする。新型コロナのパンデミック(世界的大流行)を受けて治療薬の発見が急がれる中で、意外な展開だ。モデルナが所属するバイオテクノロジーセクターも、少なくともMSCIの指標に基づくと、S&P500種指数をアンダーパフォームしている。
まずい投資戦略に効くワクチンなし
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