前述したように、2カ所以上の事業所で社会保険の適用になると、年金事務所(または健保組合)に、「健康保険・厚生年金保険所属選択・二以上事業所勤務届」を提出する。この時、本業と副業先のどちらの事業所をメインにするかを労働者自らが選んで決める。そして、社会保険に関する手続きは、メインの事業所を管轄する年金事務所(または健保組合)が行うことになり、健康保険証は労働者が選んだメインの事業所のものが1枚のみ発行される。病気やケガをした時は、その健康保険証を使って給付を受けることになる。

 協会けんぽの給付は全国一律だが、企業や業種ごとに構成されている健保組合のなかには、独自の保障を上乗せする付加給付を設定しているところも多い。例えば、高額療養費の上限額が所得に関係なく2万~3万円、傷病手当金の給付額が標準報酬額の8割など、法定給付よりも充実した給付を用意している。

 こうした給付があれば、病気やケガをした時の負担を抑えられるので、社会保険のメインにする事業所選びは重要だ。

 平日、フルタイムで働く会社員が、1週間に1、2回のアルバイトで副業するなら、健康保険と厚生年金保険の適用要件は満たすことはまずないだろう。だが、副業でもガッツリ働いて収入を増やしたい人は、健康保険と厚生年金保険への加入も視野に入ってくる。

 せっかく働いても保険料を負担すると、その分、手取りは減ってしまうが、万一の時にもらえる傷病手当金の増額など、給付面でのメリットもある。副業をする場合は、社会保険の保険料負担と受けられる給付にも目を配って、無理のない働き方を考えたい。

(フリーライター 早川幸子)