新型コロナウイルス予防ワクチン開発を巡り、欧米メーカーが初期データで相次ぎ高い有効性が確認されたと発表したことで、中国製薬会社に対して治験結果の公表を求める圧力が高まっている。英製薬大手アストラゼネカとオックスフォード大学は今週、共同開発しているワクチン候補について、治験で62~90%の有効性が示されたと公表。他の2組の欧米勢に続き、高い予防効果を示した。これにより、米国をはじめ関係国では規制当局による認可や実用化に向けて前進している。中国のワクチンメーカーは7月に後期治験を開始した。米製薬大手ファイザーや米バイオテク企業モデルナとほぼ同時期だ。中国勢のデータ公表が遅れている理由の1つとして、治験を行っているアラブ首長国連邦(UAE)やブラジルなどの国々では、米国ほど感染状況が悪化していないことがあると公衆衛生の専門家は指摘している。これに対し、欧米のワクチンメーカーは治験の中心地である米国で十分な被験者を確保することができた。