コロナ禍でマスクが欠かせなくなった今、女性が口紅をしなくなったり、百貨店で美容部員によるカウンセリング販売が制限されたりするなど、コスメ市場は大きく揺れ動いている。そんな中、ファミリーマートは新たなコスメブランドの販売を始めた。プロデュースしたのは国内最大級コスメECプラットフォームを運営するノイン。逆風が吹く今、コスメの全国展開を仕掛けた勝算とは何か。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)
コロナ禍で低調なコスメ業界
新型コロナウイルスの影響で、インバウンド(訪日外国人)や国内の需要が落ち込み、コスメ市場は大きな打撃を受けている。市場調査会社インテージの8月の調査によると、口紅の販売金額は前年同期比31.9%に急落。ファンデーションは同62.2%、化粧下地も同67.2%と、大幅に落ち込んだ(参照:『コロナ禍の夏「売れた商品・売れなかった商品」ランキング、化粧品は大苦戦』)。
理由は、マスクで顔が隠れてしまうため、多くの人が口紅やファンデーション、化粧下地を使う必要性を感じなくなってしまったからだ。顔半分はノーメイクという女性も増えている。また、マスクによる肌トラブルも増加し、これまでの購入者に敬遠された。
コスメ業界にとって逆風が吹いている中で、コンビニ大手のファミリーマートが新たな動きを見せている。11月10日から全国1万6600店で、「sopo(ソポ)」というファミリーマートだけのコスメブランドのコーナーを設置したのだ。
なぜ、この時期にコスメを展開するのか。狙いは、コンビニ業界がこれまで取り込めなかった顧客層の獲得だ。