「ドラッグストア?どこも同じじゃないか」――。ドラッグストアといえば医薬品をメインに、化粧品や食品がある店というイメージだが、進化の過程で商品別の売上高の強弱が鮮明になっており、一口にはくくれない状況になっている。この先、ドラッグストアは限りなく専門化した化粧品専門店になっていくのか。はたまた、食品スーパー化していくのか。(流通ジャーナリスト 森山真二)
化粧品はドラッグストアの「ドル箱」
マツキヨは約4割が化粧品
マツモトキヨシホールディングス(以下HD)約42%、ウエルシアHD18%、ツルハHD18%、コスモス薬品約10%(いずれも2018年度決算)──。
この数字を見ただけで何の数字か分かる人は、相当なドラッグストア通。これはドラッグストア大手の化粧品の売り上げ構成比である。
化粧品販売比率でトップのマツモトキヨシHDは、2019年3月期見込みとして、化粧品の売上高が2500億円前後になると予想されており、18年の百貨店の化粧品売上高の44%にも及ぶ比率だ。
ドラッグストアの「ドル箱」商材の1つが化粧品である。食品の低価格戦略で集客し、高粗利益率の化粧品や医薬品の購入に結びつける。これがドラッグストアのこれまでの「勝利の方程式」になってきた。
このためドラッグストア各社は、化粧品部門に力を入れており、マツキヨHDは化粧品のプライベートブランド(PB)まで開発している上、現在は化粧品を軸にインバウンドの積極的な取り込みを図っているところだ。
百貨店の大量閉鎖で
行き場を失った化粧品ブランドが販売
新しい潮流も起きている。
百貨店の大量閉鎖で行き場を失った化粧品ブランドが、販路を求めてドラッグストアでも販売するようになっているのだ。