コロナ時代を乗り切るために、早稲アカが選択した「原点回帰」改めて「原点回帰」を掲げる山本豊社長

原点回帰で乗り切ったコロナ禍

――2020年も終わりますが、改めてこの1年を振り返ってみるといかがですか。

山本 3月、就任にあたって、管理職全員に所信表明をしました。改めて原点回帰といいますか、創業者の須野田誠が掲げた「本気でやる子を育てる」という教育理念を愚直に実践していこうじゃないかと宣言しました。

 合格実績は何人出さなくてはならないとか、どこの塾に勝たなくてはいけないとか、そんなことばかりが先に来てしまうとバランスが崩れてしまいます。まずは愚直に理念を実践しよう。そのためにはより質の高い授業をしよう。そうすることによって成績も上がるだろうし、合格実績も伴ってくる。口コミでの評判が上がり、結果的に売り上げや利益も伸びてゆく。これを貫いていこうと思っています。

――新社屋に移られた直後だけに、やはり原点回帰ということは大きいですね。今後の経営方針はいかがですか。

山本 教育産業には少子化が常に付きまといますが、首都圏では5年、10年のスパンではほぼ横ばいとみてもよいかと思います。運が良かったのかもしれませんが、首都圏で商売をさせていただいており、地方展開をしていないので、あまり少子化の心配はしていません。

 私立中高一貫校では二極化が始まっていて、苦戦されている学校もありますよね。今回のコロナの騒動で、二番手三番手くらいの大学付属校などの中にはすごく受験者数を増やしたところもありますが、全く志願者が減ってしまっているところもあります。

 上位校以上は一定の志願者数が続くと思います。当社は難関校や上位校を狙う受験生が主な顧客層となっています。その中できちんとシェアを取っていくことで、しっかりと成長を継続できると考えています。