しまむらPhoto:Diamond

しまむらの売り上げ急回復は本物か――。これまでしまむらは既存店売上高の低迷が続き「客離れ」「深刻な客数減」などと指摘されてきた。しかし、そのしまむらが今年6月以降、目覚ましい回復を遂げているのだ。「しまラー」は戻ってきたのか。しまむらは再び支持される商品、売り場に変わったのだろうか。(流通ジャーナリスト 森山真二)

長らく低迷状態が続いていた
しまむらの復調は本物か

 つい1年ほど前、知り合いの女性に「しまむらで買い物している」と聞いたことがある。女性いわく、「最近は買ってないなぁー。だって商品のバラエティー感がないような気がして」という返事が返ってきた。

 そのときは「そんなものか」と聞き流したが、その後、しまむらの月次の売り上げを調べてみたら、なんと毎月のように前年同月売上高の実績を割り込んでいた。

「しまラー」という造語までできブイブイ言わせていた、しまむらの厳しい状況を目の当たりにして驚いたのだが、今年に入っても5月まではそんな傾向が続いていた。

 このため、昨年あたりから「しまむら客離れ深刻」などいう記事がネット上でも散見され、「しまむらは立ち直ることができるのか」という見方が台頭した。