ジョー・バイデン氏が、現在陣容を固めている次期政権とバラク・オバマ前大統領の政権との違いを明確にしたいと考えているのであれば、11月30日にバイデン氏が発表した経済政策分野の顧問らの顔ぶれは、それが成功していないことを示している。彼らは、支出拡大・規制強化・増税・金融緩和を信奉するオバマ政権時代のベテランたちだ。彼らが「長期停滞」として知られるようになった当時の状況よりも良い結果をもたらすことを望みたい。次期財務長官候補に指名されたジャネット・イエレン氏は、際立った政治的経歴を持つエコノミストだ。イエレン氏は、ジェームズ・トービン学派のケインズ経済理論支持者であり、財政刺激策としての支出と低金利の信奉者である。オバマ政権2期目の米連邦準備制度理事会(FRB)議長としてイエレン氏は、金利引き上げとFRBの債券買い入れ規模の縮小のペースを遅らせた。イエレン氏は来年、大盤振る舞いの財政支出と、それをFRBがマネタイズ(資産購入による資金供給)することを促すという、2009年スタイルのポリシーミックスを目指す可能性が高い。
【社説】オバマ政権のエコノミスト復帰の吉凶
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