このうち2点目は、借り上げビジネスホテルの提供を指している。わざわざ「感染対策の取られた個室」と述べられているのは、「ゆめゆめ、貧困ビジネスの劣悪な施設の大部屋や簡易個室ではなく」ということである。

借り上げビジネスホテルと
「経済の論理」との関係は

 10団体、および要望の呼びかけ人である北畠拓也氏は、要望と同時に東京都保健福祉局の課長および課長代理4名と意見交換を行った。いずれにしても、「5億円の予算規模での住居喪失者へのビジネスホテルの提供」というプランが決定事項となり、詳細が公表されるのは、12月の都議会で補正予算が承認された後となる。

 市民によるホームレス問題の調査や、参加型まちづくりプロジェクトを実施してきた実績を持つ「デモクラティック・デザイナー」である北畠氏は、要望に対する東京都側の反応について、「かなり苦労されながら頑張っておられるのが伝わってきました」という。

 ビジネスホテルの宿泊室を多数確保するためには、都議会で補正予算が承認されてから動くのでは間に合わない。小池都知事が実施する意向を示しているということもあり、東京都職員は、すでに確保に動いている。しかし、4月の緊急事態宣言のときに比べると、困難さが増しているようだ。

「今年の春先は、緊急事態宣言で人の流れが止まっていましたから、ビジネスホテルが確保しやすかったようです。しかし現在は多少なりとも稼働しており、旅行での利用者も出張客もいる状況です。春先に比べると、確保が難しくなっているそうです」(北畠さん)

 4月の緊急事態宣言の際、ビジネスホテルに対して支払われた利用料金は、素泊まり1泊あたり税込み2250円以内であった。まるでゲストハウスのような価格設定だが、期間は「おおむね30日程度」となっており、利用者がいれば一定の収益は確保できたようだ。