ドアダッシュの運転手,配達Photo:San Francisco Chronicle/Hearst Newspapers via Getty Images

 ソフトバンクグループは1年前、投資先の注目企業が幾つか傾き、極めて不採算な新興企業に巨額を投じる戦略を巡って批判の矢面に立たされた。

 だが間もなく、ソフトバンクは注目の勝者を手にするかもしれない。その勝者とは、料理宅配サービスを手掛ける米ドアダッシュだ。サンフランシスコを拠点とする同社は、11月30日の証券当局への提出資料で、最大320億ドル(約3兆3400億円)の評価額で数週間以内に新規株式公開(IPO)を実施する準備を進めていると述べた。

 IPOがドアダッシュの期待通りに成功すれば、ソフトバンクと傘下のテクノロジーファンド「ビジョン・ファンド」にとっては大きな勝利となる。ビジョン・ファンドは2年前、ドアダッシュにふんだんに資金を投じた。こうした戦略は投資先の多くの企業に関しては無分別だったと判明したが、ドアダッシュにとっては輝かしい成長戦略に弾みをつける後押しとなった。IPO価格が予想レンジの中間水準となれば、ソフトバンクが投資した6億8000万ドルは50億ドルに価値が膨らむ。2018年からドアダッシュに投資しているソフトバンクは、株式24.9%を保有する筆頭株主だ。