損するリスクを受け入れて
株価2倍、3倍、10倍を狙う
――投資に関する講演やセミナーなどで、そういう人にはどんな話をするんですか?
私がよく言っているのは、たとえば10万円から始めるとして、よほど変なことをしなければ、全額なくなるってことはまずないということ。減ったとしても、3割か4割、最悪でも半分くらいでしょう。
そのリスクを受け入れたうえで、元手を2倍、3倍増やしていきましょう。3年先くらいのイメージで10倍を目指していきましょう、という話をします。
その具体的手法として、おすすめしているのが「小型株集中投資」です。
私がすすめている投資というのは、就職と同じなので、デイトレーダーのように1日単位で株価がどう変動したとか、月単位で儲かったとか損したとか、そういう話ではありません。
だって、1日単位や月単位で「会社を辞めよう」「転職しよう」という人はいませんよね。少なくとも1年、3年くらい先を見て、「この会社は成長するんじゃないか」というところに、自分のお金をBETするんです。
目先の損得だけでなく、そういう本質的なところを踏まえて投資をやることの大切さを私は語るようにしています。
――「10万円から始める」というのは手軽でいいのですが、投資としてそんな少額だと「たいした儲けにならないだろう」と感じる人も多くないですか。
これは一つの試算ですが、私は一応の目安としては「半年で1.5倍」を狙っていくようにしています。
同じ上場企業でも、すでに成長した大企業(大型株)ではなく、これから大きく成長する企業(小型株)であれば、現実的な数字です。
こまかな説明は省きますが、半年で1.5倍を「複利」で考えると、3年で10倍になるんです。それは決して小さくない数字だと思います。
もちろん、すべてがそんなにうまくいくわけではありません。実際には100万円投資して、1年経っても10万円の利益しか得られないかもしれません。ひと月あたり1万円の利益もないのですから、「こんなことならバイトしたほうがマシ」と思う人もいるでしょう。
でも、私はそうは思いません。1年間での利益が10万円だったとしても、それは労働者のルールではなく、資本家のルールで稼いだ10万円です。バイトで稼ぐのとは、まったく意味が違います。
そうやって“これまでとは違うルール”で稼げたというのは、それが「いくらか」ということ以上に、大きな価値がある。
資本家のルールで稼ぐことを体験すれば、その金額を増やしていくことも可能なのですから。