彼らは、小さな子供がいるようなご家族でもお肉を一緒に安心してたくさん食べられることを重視しています。大家族の場合など、肉は高くてたくさん食べることができないため、そのニーズを満たすべく「お腹いっぱい」「おいしく」「安全に」をコンセプトに掲げ、価格や素材などにこだわり、サイトでも表現しているのです。

 なぜこのようなピンポイントなコンセプトが注目されているのでしょうか。

 そもそも通販は日本全国が対象となるため、お店さえ作れば簡単に売れそうだと思われがちですが、マーケットが大きい分、競合相手も全国規模になってしまいます。そのため、何かで一番になれるような、選ばれるための「尖った部分」がどうしても必要になるのです。

 はじめから万人ウケを狙うのではなく、100人に1人がファンになって購入し続けてくれるサイトを作ることが重要で、全国に数多ある「肉屋」の1つになるのではなく、「家族が幸せになれる食文化を売る」くらい狭く尖らせる必要があるのです。

 尖った肉屋も応援消費も、共通している点は「誰から買うか」が重要で、そのためには商品を購入して頂く上でのストーリーをしっかり表現する必要があります。最近は、会社やお店の紹介コンテンツが少ないショップが多いですが、「ただ商品を買いに来ているのでそういうコンテンツは必要ない」という考え方は、ECではNGです。

 農家の応援消費のように、朝どうやって収穫してどのように出荷しているのか。販売している農家の家族はどういう人たちなのかといった情報があることで、その人からその商品を買いたくなるのです。野菜という商品自体に大差はなくても、この人から買いたいと思って購入すれば、野菜が届いて嬉しいという満足感を得ることができます。だからこそ、直接接客することができないECでは無視することができない重要な要素となるのです。

返品だってビジネス機会
実店舗を「体験の場」として活用

 コロナで厳しい状況ではありますが、実店舗があるなら「体験の場」として生かした方が良い場合もあります。

 東京下町で「お茶のEC販売を行っているC社」も、コロナ禍にあってもわざわざ来店される方が多く、店舗でお茶の選び方や今買うならどのお茶がいいかといった情報を欲していると言います。ネットは見てきているものの、話を聞いてから購入したいという人が多くなっているのです。

 お店での会話は、おいしいお茶の入れ方のコツなどアドバイスのほか、お茶の入れ方をその場で専門家に教えてもらえるなど、体験を提供する価値が向上しています。