ジョー・バイデン次期米大統領は、退役軍人のロイド・オースティン元陸軍大将(67)を国防長官に起用すると決めた。この人事に関する報道にざっと目を通した誰もが、最も重要な選考要素は彼が黒人であることだと思うかもしれない。しかしアイデンティティー政治よりも中身を重視する上院議員らには、検討すべき事柄が多くある。オースティン氏は陸軍における40年間の経歴を通じて米国に大きく貢献してきた。2010~11年にはイラク駐留部隊の司令官として米軍の撤退を指揮した。本人の名誉のために言っておくと、自身は数万人の米軍兵士の駐留を維持したいと考えていた。しかし、バラク・オバマ氏が完全撤退を指示することを予期できず、十分な準備ができないまま拙速な撤退を強いられたことは、あまり擁護できない。オバマ政権下でオースティン氏と共に仕事をしたバイデン氏は、彼が忠実な部下だったことに最も魅力を感じたのかもしれない。
【社説】国防長官にオースティン氏は適任か
人種より実績と考え方が重要
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