オースティンの通りで食事を楽しむ人たちオースティンの通りで食事を楽しむ人たち(6日) Photo:Bronte Wittpenn for The Wall Street Journal

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)でリモート勤務が今後も続くことを見越し、ニューヨークやサンフランシスコなどの都市から、より気候が良くて物価が手頃な都市に移り住む人が増えている。そうした中で最も恩恵を受けている都市の1つがテキサスの州都オースティンだ。

 比較的安い物価と税金が魅力となり、オースティンはかつてないほど多くの雇用やリモート勤務者を引きつけている。同市への移転を今年発表した企業が生み出す雇用は、1万件近くに達する見通しだ。オースティン商工会議所によると、これは単年の数字としては過去最高だ。観光客頼みの市内のレストランやバー、コンサート施設がコロナで受けた打撃を相殺する助けになる。

 こうした背景には、テキサスには所得税がないこと、オースティンの冬は比較的短くて穏やかなこと、広くて庭のある住居が多いため対人距離を確保する「ソーシャルディスタンス」を実践しやすいことなどがある。また、過去10年に数万戸のアパートメントが建設されたことで、サンフランシスコやブルックリン、マンハッタンよりも依然、住居費が安い。

 IT(情報技術)投資家のジョー・ロンズデール氏は、自身も運営するベンチャーキャピタル(VC)会社8VCもオースティンに移転したことを明らかにした。石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルは最近、エネルギー探査に関するアイデアを開発するイノベーションスタジオを同市に開設した。

 不動産スタートアップ企業トモ・ネットワークスのグレッグ・シュワルツCEOは「スタッフを採用するのも住宅を見つけるのも、営業許可を取得するのも他の場所に比べてはるかに容易だ」と話す。同社はコネティカット州スタンフォードに本社を置いているが、オースティンにも第2本社を開設する準備を進めている。