中国と欧州による年次貿易フォーラムは先月、中国政府に批判的な参加者を除外すべきとの中国の要請を欧州の主催者が拒み、人知れずキャンセルされた。こうした動きについてはこれまで報じられていなかった。中国と欧州連合(EU)の企業トップや元高官による年次の対話集会は、約40人の最高経営責任者(CEO)や政府高官、学界関係者が集まる非公開イベントだ。第4回となる今年はビデオ会合になる予定だった。主催者によると、過去には参加者リストが問題になったことはなかった。だが今年は、EU各国の企業ロビー団体の上部組織であるビジネスヨーロッパの欧州主催者が、特定の参加者を除外するよう求める中国の要請を退けた。イベント中止は欧州が対中姿勢を硬化させていることを改めて浮き彫りにしている。EUは昨年、中国を「構想的なライバル」と呼び、姿勢の変化が鮮明になった。さらに、新型コロナウイルス感染流行下で虚報を巡ってEU高官が中国を非難したことで、そうした傾向は一層強まった。ただ、双方ともこうした対立をエスカレートさせることには消極的で、主催者は来年もイベントを開催すると言明しており、相いれない思惑が交錯している。
中国EU貿易フォーラム、中国が批判者の除外求め中止に
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