オムニチャネル時代の小売業やサービス業は、モノやサービスを提供する際に一度きりしか顧客と接点を持たないのではなく、継続的に、かつエンドレスに顧客とつながり関わりを持つ。

 つまり、小売業の立場では「商品を買っていただく」、生活者の立場では「商品を購入して所有する」という行動のみならず、顧客が商品を購入してからの所有や使用に関するサポートやサービスが重要になってくるし、こうした売り手と買い手の関わりこそがオムニチャネル時代そのものなのである。

 昔から流通業では、「川上」がメーカー、「川中」が卸・中間流通業者、「川下」が小売業とされてきた。これは、いわば「売り切りご免」の考え方だった。

 オムニチャネル時代の継続的なアプローチは、まさに流通業界の新たなイノベーションである。インターネットで商品検索をしたり、SNSで口コミを確認したり、実際に商品を利用した感想を口コミにしたりと、商品購入の前後で小売業やサービス業との接点が今までよりも劇的に多くなってくる。シームレスな複数の接点で、かつ、ライフサイクルを通じて関わりを持つこと、これこそがオムニチャネル時代なのである。

 図1をライフサイクル全体にあてはめてみたのが図2だ。

【図2】
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 商品購入やサービスの提供を受けるステージである「BUY」と、それらを使用したり受けたりする「所有」とにステージが大きく分けられる。商品の売り切り、サービスの提供し放しではなく、それらの二つのステージが継続的につながり、ずっと関わりを持っていくイメージである。

 見た目が「無限大(∞)」の記号に似ているが、まさしく顧客との接点はシームレスでかつ永遠につながらなくてはならない。そのためには、いかに顧客との関わりを持っているかが重要となる。筆者が所属するオラクルでは、こうした顧客との関係を「カスタマー・エキスペリエンス(CX:顧客経験価値)」として提唱している。