文大統領がTPP参加への
意欲を示した背景は?
2020年12月8日、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、「貿易の日」の記念式典にて、初めてTPP(環太平洋連携協定、2017年1月に米国が離脱を表明した後は「TPP11」と呼ばれる)への加盟に意欲を示した。
このタイミングで文大統領がTPP参加への意欲を示した背景には、中国・習近平政権の動きや米国・バイデン新大統領就任など、国際情勢が大きく変化していることがある。
当初、米国のオバマ政権は、経済面からの「対中包囲網」としてTPPを位置付けていたとみられる。ところが、トランプ政権が前政権の政策をひっくり返し、TPP離脱を宣言。それを見た中国の習政権が、国際社会での孤立感を緩和することを主な目的として、TPP参加に積極的な姿勢を示した。
このような一連の動きによって、国際社会におけるTPPの位置付けが大きく変わったのである。