会社も役所も、お金について通り一遍のことは教えてくれても、“あなた自身”がどう決断すれば一番トクになるのかまでは、教えてくれません。税や社会保険制度の仕組みは、知らない人が損をするようにできています。長くサラリーマン生活を続けていると、税金も社会保険料も会社任せで、自分が何をどれだけ払っているのか意識していない方がほとんどです。また、税や社会保険の基本的な制度や仕組みに関する知識が危うい人も!
定年前後に気を付けるべき「落とし穴」や、知っているとトクする「裏ワザ」を紹介し、発売即3刷となった話題の書「知らないと大損する!定年前後のお金の正解」、の著者である板倉京先生(下記M)に、お金オンチの担当Iが、いまさら恥ずかしくて聞けない「基本のキ」を聞いた部分を本書から抜粋して紹介します。今回は、「確定申告」について。

確定申告って結局、どうやるのが一番簡単なのか?  Photo: Adobe Stock

「確定申告」しなくてよいと言われている人は、還付される可能性が高い人!?

M サラリーマン時代に「確定申告」なんてしたことないですよね?

I はい、ないです。

M サラリーマンだと毎年12月に年末調整を会社がしてくれますよね。毎月の給料から、少し多めに税金を徴収して、年末に、生命保険料控除や扶養控除などの所得控除を差っ引いて、正確な所得税を確定してくれるのが年末調整です。あらかじめ税金を多めにとっているので年末調整では税金が戻ってくることが多いんです。

I 会社を辞めると、それを自分でしないといけないんですね。

M それが確定申告です。

I  でも、退職金は、確定申告しなくてよいと書いてあるし、年金をもらって源泉徴収されてても、年間400万円までの人はしなくてもいいんですよね?

M 確定申告する必要がなくてラッキーと思ってるとしたら、めちゃくちゃ「カモ」になってますよ! 税金を徴収する側からいえば、「確定申告する必要がある」のは税金を取れる可能性のある人。逆に「しなくてもいい」と言われてる人は、税金が還付される可能性が高い人ということです。

I なんと! 目からウロコ!

M 年金収入400万円以下の人が確定申告すると還付される可能性は高いですし、p36でも書きましたが、退職の翌年も確定申告すれば還付されることが多い。還付の場合は過去5年間分ができますから、後からでもやったほうがいい!

国税庁HPの「確定申告書作成コーナー」が便利

I とはいっても、なんか複雑そうで。やり方を細かく説明してもらえますか?

M すべての状況の方に応じた申告書の書き方を説明していると、本1冊終わっちゃいますね。退職金の申告も、まったくの素人が手書きで計算するのは実は結構難しいんですよね……。

I ……。(やっぱり無理かも)。

M でも、手で計算しようとしなければ大丈夫です。実は、国税庁のHPの「確定申告書作成コーナー」は知識ゼロでも申告書が作れる優れものです。相当親切に作られているので、これを使えばかなり複雑な申告でもできます。

I まず、作成開始を押してみると、「e‐Taxマイナンバーカード方式」と「e‐TaxのID・パスワード方式」、「印刷して提出」の3種類が出てきますね。これはどれを選べば?

M 1回しかやらないなら、一番簡単なのは印刷して提出です。でも、この先、毎年やるつもりなら、「e‐Tax」のどちらかを選んだほうがラクかもしれません。「マイナンバーカード方式」はカードリーダーやマイナンバーカードがいります。「ID・パスワード方式」はそういったものは不要ですが、事前に税務署の職員との対面による本人確認を行って「ID・パスワード」を発行してもらう必要があります。

I この3択から選んだあとは、質問に答えながら入力すればいいんですね。

M 後は簡単です。手元に、退職所得や給与所得の源泉徴収票や、生命保険料控除、ふるさと納税の証明書などを用意してください。医療費控除できる場合は医療費のレシートなども。それらのどこの数字を入力すればいいかも、サイトを見ればわかります。

I 万が一、途中でわからなくなったら、どうすればいいですか?

M 還付申告は毎年1月1日からできますから、確定申告で混み始める2月16日の前を狙って、管轄の税務署に行けば、親切に教えてくれますよ。