何歳までこの会社で働くのか? 退職金はどうもらうのか? 定年後も会社員として働くか、独立して働くか? 年金を何歳から受け取るか? 住まいはどうするのか? 定年が見えてくるに従い、自分で決断しないといけないことが増えてきます。
会社も役所も通り一遍のことは教えてくれても、”あなた自身”がどう決断すれば一番トクになるのかまでは、教えてくれません。税や社会保険制度の仕組みは、知らない人が損をするようにできています。
定年前後に気を付けるべき「落とし穴」や、知っているとトクする「裏ワザ」を紹介したシニアマネーコンサルタント・税理士の板倉京先生の話題の著書「知らないと大損する!定年前後のお金の正解」から、一部を抜粋して紹介します。本書の裏ワザを実行するのとしないのとでは、総額1000万円以上も「手取り」が変わってくることも!
自宅をどうするのか、という大問題
定年後、どこでどう暮らすのか、考えたことはありますか?
定年退職は、今後の住まいや暮らし方を考えなおすよいタイミングだと思います。
子育てをしながら毎日通勤をしていた現役時代に合う住まいと、これからの老後生活を豊かに過ごすための住まいとでは、必要な条件が変わってくるのではないでしょうか。リモートワークや在宅ワークが進めば、たとえ働いていても職場の近くに住む必要性も薄れてきます。
今の家族構成にあった家へダウンサイズする、または、通勤の便にこだわらず、住環境のよい場所に引っ越すなど、定年退職をきっかけに住まいについて考える人も少なくないようです。
一方で「自分が稼いで建てたマイホームを簡単に手放せない」と思う方もいると思います。もちろん、思い出の詰まった家に住み続けることを否定するつもりは毛頭ありません。
しかし、老後の「支出」を決める最大の要因は、「どこでどう暮らすか?」です。家にかかる費用だけでなく、生活費にかかる物価も住む場所によって異なります。住み替えを行うことで、快適に住みながら、かかるお金を減らせる可能性が大きいのであれば、住まいの在り方について一度検証してみてもよいのではないでしょうか。
自宅の「出口戦略」も考える
自宅は多額の資金がかかる大きな資産です。資産である不動産で大切なのは「出口戦略」(最終的にこの家をどうするつもりなのか)です。今の家に一生住むのか。一生は住まないとしたら、いつまで住むのか。住み替えるとしたら、買い替えか、賃貸か、老人ホームか。
一生住むとしたら、自分たちが死んだあと、子どもたちが住む可能性はあるのか? 子どもたちが住まないとしたら、この家は売れるのか? など自宅を最終的にどうするつもりか、という「出口戦略」について、家族で話し合うことも大切です。
どこでどう住むのかによっては、かかるお金が大きく変わるのはもちろんのこと、生活自体も変わることになります。定年退職をきっかけに、老後をどう暮らしたいのか、改めて考えてみてはいかがでしょうか。本書では、考えるべきポイントやトクする裏ワザなどを多数紹介していますので、ぜひ、参考にしてみてください。