日本史#2
illustration by Wu-tang

日常でもビジネスでも何が起こるか分からない時代。こうした時代を乗り越える唯一の手段が「歴史」だ。時代も登場人物も違えば、まったく同じ歴史をたどることはない。しかし、似たことはこれまで何度も起こっているのである。「想定外」という言葉は、歴史の不勉強による想像力の欠如から発せられる。それならば歴史に学ばない手はない。本稿では、会話形式で歴史を学ぶ。古代の日本では、外国といえば中国であった。中国との関わりがどのように日本を形成していくのか見てみよう。

「週刊ダイヤモンド」2020年2月25日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの
登場人物

歴史の講義が今、始まろうとしている

古代日本人のイメージ
古代日本人のイメージ。誰もが顔に入れ墨を施していたことが記録に残っている Illustration by Wu-tang

本の虫課長 本の虫課長です。本日はよろしくお願い致します。

渡辺フミオ&泉岡マリ よろしくお願い致します!

本の虫課長 えーと、日本史を学び直したいので、近世までの流れをざっと教えてほしいということでしたよね。

渡辺フミオ はい。好きな女優が大河ドラマに出演していまして! あと、部長から「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。歴史は絶対に仕事に役立つぞ」と言われたので。ずばり賢者になりたいです。でも、日本史は大学受験のときにかなり勉強しましたが、それっきり。今ではほとんど忘れてしまいました。

泉岡マリ 私は理系の大学だったので、そもそもほとんど知識がありません。でも世界史の本はよく読みます。海外出張のとき、同僚のフランス人に「武士について教えてくれ」と言われたのですが、答えられなくて……。「え? 自分の国の歴史を知らないの?」と小バカにされました。それで、しっかりと学ばないとと思ったのです。あと、私も同じく大河ドラマに好きな俳優が出ているのが気になりまして……。

本の虫課長 (結局は大河ドラマか……)なるほど。ではどうして私の所に来たのですか?

渡辺フミオ 歴史に興味があると同僚に伝えたら、それなら社内に「本の虫」と呼ばれるほどたくさんの歴史関係の本や論文を読んでいる人がいるよって。そこで、泉岡さんもぜひ会ってみたいとのことで、メールさせていただきました。

本の虫課長 ほう、社内でも私の歴史の知識が話題になっているわけですね。

泉岡マリ はい。「仕事は熱心じゃなけいど歴史の知識はヤバい」って。

本の虫課長 (一言一句たがえずに伝えなくても……)本日は「通史」、つまり歴史の流れをざっと知りたいということでしたよね。

渡辺フミオ はい。でも通史の本って、最初から読むと、人類の祖先はアフリカから来てとか、石器がどうとか、稲作がどうとかで、あまり興味が湧かずに結局は挫折して積ん読になってしまうんです。

泉岡マリ 分かる! あまりに昔過ぎて、わが事として捉えられないというか。ファンタジーの世界に近いというか。

本の虫課長 ふむふむ。確かにそうですね。でも歴史は、興味がある時代やテーマから入ればいいのです。何も初めから読もうとする必要はありません。オススメは、日本史を世界史と絡めながら読み進めることですね。

泉岡マリ 世界史と絡める? 私は世界史は好きですが……。

本の虫課長 そう……。世界史で分かる! それがとても大事なのです!

渡辺フミオ わ! 突然大きな声でどうしたんですか。

本の虫課長 おっと、失礼しました。学校の授業では日本史の年号を丸暗記させるような教え方なので退屈だったかもしれません。しかし、日本史は独立して存在しているわけではなく世界史の大きなうねり、潮流の中で影響を受けています。それを俯瞰してリンクさせて理解すれば、一層、日本史は分かりやすく楽しくなります。それに、日本も世界も、日々新たな発見が出てきているので、毎回、違う視点で何度も歴史を学ぶことができるのです。

渡辺フミオ なるほど、確かに授業では、ぶつ切りで教わった印象が強いです。しかも、リンクさせれば日本史も世界史もセットで覚えられていいですね。

本の虫課長 それでは早速、通史とのことで日本が初めて外国デビューをしたところから始めましょうか。

泉岡マリ 外国デビュー? どういうことでしょうか?