金額の入力に手間取って境内が混雑してしまっては、3密になりかねない。ほかにも、賽銭のキャッシュレス化にまつわる懸念点はいくつかある。京都府内の約1000の寺院が加盟する「京都仏教会」は、宗教活動のキャッシュレス化に対して「不適切で受け入れない」とする声明文を発表した。

 同会いわく、キャッシュレス賽銭のために電子決済サービスを導入して手数料が発生すると、賽銭が「収益事業」と見なされ、課税される可能性があるという。また、参拝者や信者の個人情報が第三者に把握されるリスクも指摘している。

「税の問題もあるので、賽銭のキャッシュレス化はなかなか普及しないのではないでしょうか。個人的な意見ですが、現金のお賽銭でないと情緒もない気がしますしね」

 賽銭と同様に、なかなかキャッシュレス化が進みづらいのが、病院や行政機関だという。こうした場所がキャッシュレス決済に対応するのは、いつになるのか。美崎氏は「2024年にはキャッシュレス化が完了するのでは」と話す。

「2024年とは紙幣が新しくなるタイミングです。このタイミングで、新旧どちらの紙幣も使えるように決済設備もアップデートする必要があります。その機会に、いっそのことキャッシュレスオンリーにするところも出てくるかもしれません。今の法律ではキャッシュレス決済しかない販売方法は認められていないようですが、その決まりも改めるようですから、2024年にはキャッシュレス化が完了すると思います」

 キャッシュレス化の完了まで、あと3年余り。これからのwithコロナ時代では、キャッシュレス決済が使えないと不便を感じるシーンも出てくるだろう。年末商戦でお得さを享受できる今こそ、電子決済を使って慣れておくといいかもしれない。