なぜ女子大生が「卵子冷凍保存」に走るのか、Z世代の驚くべき価値観なぜ女子大生が「卵子冷凍保存」に走るのか? Photo:PIXTA

 Z世代とは、主に現在10代半ば~20代半ばの男女。2008年秋、筆者は「草食系男子」の言葉を世に広め、以後も10年以上にわたって若者研究を続けてきた。そんななか、このコロナ禍でオンライン取材した若者・Z世代の生き様は、まさにウィズコロナ、アフターコロナにおける日本の未来図を予見させるものだった。ここでは、新刊『若者たちのニューノーマル』に書ききれなかったZ世代の、驚くべき価値観や職業観に迫りたい。(世代・トレンド評論家 牛窪 恵)

現役女子大生が
卵子を冷凍保存!?

「2カ月前、卵子を冷凍保存して来ちゃいました」

 当時21歳の女子大生・アヤノ(仮名)は、笑顔でそう話した。3年前、都内のある大学の学食で、彼女を含む学生4人と忌憚(きたん)なく話していたときである。

 なぜ女子大生が、卵子を冷凍保存? しかも彼女は、以前から彼氏さえいないと公言していたはずでは?……筆者は目を丸くした。

 アヤノは竹を割ったような性格で、見た目も物言いも、元AKB48の指原莉乃さんにそっくり。それまでも「恋愛にまったく興味がない」と言い切り、「同年代の男子が、アホっぽい。話を合わせるだけで、時間の無駄って思っちゃう」と冷笑していた。

 その彼女がなぜ?……だが私の驚きをよそに、周りにいた他の女子3人は、まったく不思議がらずに「えっ? どこのクリニック?」と身を乗り出した。それどころか、「さすが!」「やっぱ動きが早いね」など、一様にリスペクトの姿勢を見せたのだ。