既知の脅威へと変容中

 時間の経過とともに、未知の感染症が既知の感染症に変化しつつある。治療法はすでにさまざまなものが試されていて、致死率は各国で大幅に低下しているし、予防法も各種ワクチンが開発されているので、じきに効果を発揮すると期待されている。

 そして人々も、新型コロナについての知識を次第に得て、未知の感染症に対する恐怖心は薄らぎつつある。3密回避、マスク着用、手洗いといった基本的な注意事項を守っていれば、一定程度、感染リスクを回避できることも分かった。基礎疾患のある人や高齢者を別とすれば、仮に罹患したとしても致死率はそれほど高くない。

 人々が未知の感染症をいたずらに恐れるのではなく、既知の感染症を「正しく恐れる」ようになっていけば、人々の生活は次第に元どおりになっていくであろう。

 新型コロナ不況がリーマン・ショックなどの通常の不況と異なるのは、多くの人々がお金を持っているということだ。お金がないから使えないのではなく、お金があっても新型コロナが怖かったり自粛警察が怖かったりして、旅行や飲み会などにお金が使えないのだ。

 そんなときに、政府がGo Toキャンペーンを行ってきたのは、大変心強いことだ。「自粛しないで使って良いですよ。むしろ、補助金を出すから使ってください」というのは政府からの「お墨付き」としての効果が絶大なはずだ。

 政府が支出する補助金自体にも効果はあるだろうし、それに加えてお墨付きの効果が加われば、人々は積極的に旅行などに行くようになるだろう。

「新型コロナもそれほど怖くなさそうだし、政府のお墨付きがあれば自粛警察も騒がないだろう。お金はあるし、自粛疲れもたまっているから、旅行に行こう」と考える人が増えるからだ。

 Go Toキャンペーンは一時的に停止されるが、廃止ではなさそうだ。感染者が増えているにもかかわらず、感染症予防のみに注力するのではなく、経済との両立を目指している政府の姿勢を応援したい。

 Go Toキャンペーンの効果については、拙稿を併せてご参照いただければ幸いである。