ジョー・バイデン次期大統領のチームが政権移行準備を進める中、米国の政界では対中姿勢を一段と硬化させ、両国経済の切り離し(デカップリング)に着手する可能性が頻繁にささやかれている。ただ、こうした緩い議論にありがちなことだが、現実はもっと複雑だ。経済的に一段と厳しい姿勢をとるのは、それこそ厳しい。トランプ政権が4年間も圧力をかけ続けたにもかかわらず、中国経済は実のところ、現時点では複数の面で欧米より強くなっている。中国は独自の問題を多く抱えているとはいえ、外国資本は流入している。流出ではない。アジアでは、中国は貿易上の地位を向上させている。「中国は交渉する上で強い状況にある」と指摘するのは、大西洋評議会(アトランティック・カウンシル)地経学センターの政策・プログラムディレクター、ジョシュ・リプスキー氏だ。「中国から発せられる遠心力は2017年より強い」
バイデン氏の対中強硬路線、複雑な現実に直面
ワシントンでは米中経済のデカップリングがささやかれているが――
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