中国政府は、米政府が計画していた香港の不動産売却に待ったをかけ、当局の承認が必要との判断を示した。米政府は9月、在香港米国総領事館の職員向け高級集合住宅を3億3200万ドル(約342億円)で香港不動産大手の恒隆地産(ハンルン・プロパティーズ)に売却することで合意していた。豊かな景観を望める寿臣山の高級住宅街にあるこの物件には、6棟の低層ビルに26戸のアパートと屋上のプールがついている。契約は30日に完了する予定だったが、実現しなかった。ハンルンは、香港の土地注冊處(土地登記所)から先週、中国政府の書面による承認がなければ売却を完了できないとの通達を受けていたと30日明らかにした。ハンルンによると、土地注冊處の21日付の書簡には、在香港米国総領事館が「商業主体ではなく、本物件は通常の不動産物件ではない」と記されていた。監督当局への提出文書で明らかにされた。