本書の要点

(1)「運」は、もともと持っているものというよりは、その人の考え方や行動の仕方によるものである。そして、「運がいい人」に共通する考え方や行動パターンを分析することで、だれでも運がいい人になることはできる。
(2)運がいい人は自分の特性をよく知り、最大限に生かす方法を考える。また、自分が「運がいい」と思い込み、物事に取り組む時にプラスの自己イメージを持っている。
(3)運がいい人は明確な目的をもって物事に取り組む。その過程でたとえ不運なことが起きたとしても、決して途中で諦めたりしない。

要約本文

◆運を科学的にとらえるとは
◇運がいい人はつくれる

 運は一見非科学的なものであり、科学的に扱うような対象ではないと感じる人もいるだろう。しかし、非科学的に感じるものであっても、科学者の目でていねいに分析すると、科学的な根拠が見つけられることがある。

「運がいい・悪い」を考える際にまず忘れてはならないポイントは、私たちの身の回りには「見えない」運・不運が無数にあるということである。たとえば、普段通っている道に、100万円が入った封筒が落ちていたとする。しかし、その日に限って別の道を選択したために、100万円を拾うことはなかった。いつもと違う道を選んだ点で運を逃しているが、当の本人には「運が悪かった」という自覚は生まれない。

 私たちはつい、目に見える運・不運だけに着目しがちだ。その裏側には、何倍、何十倍もの自覚できない、検証できない運・不運があることを知っておく必要がある。こう捉えると、誰にでも公平に運は降り注いでいる、ということがわかるだろう。

 それでも世の中は、運がいい人と悪い人に分かれているように見える。公平に降り注ぐ運を上手にキャッチできる人、不運を上手に防げる人、あるいは不運を幸運に変えられる人などが、「運がいい人」である。そして、この運がいい人といわれる人たちを観察すると、共通の行動パターン、物事のとらえ方、考え方などが見えてくる。つまり、「単に運に恵まれている」わけではなく、平等に降り注ぐ「運」を生かす行動や考え方をしているということだ。それらは科学的に説明を付けることができる。本書は、「運をよくするための行動や考え方」について、脳科学の知見をもとに解説している。