借家か持ち家か、という論争を損得の観点から語る人は多いが、老後資金を考える際に最重要である「リスク回避の観点」から考えれば、持ち家を選択すべきである。(経済評論家 塚崎公義)
借家と持ち家の論争は、損得の観点が多い
借家と持ち家はどちらが得か、という論争は、絶え間なく行われている。論争が続いていることから考えると、どちらかが圧倒的に得だ、ということではなさそうだ。
そうであれば、リスクを回避するという観点から持ち家を選択すべきだと筆者は考える。老後資金を考える際に最重要なのは「ヒドい目に遭わない」ということであり、そのためにリスクを回避することだからである。
それはつまり、儲かって豊かに暮らす可能性を放棄しても、損してみじめな老後を過ごすリスクが回避できるなら、そうすべきだ、ということだ。この点については拙稿を参照していただければ幸いである。