新型コロナウイルスの起源を調べるため世界保健機関(WHO)が中国に派遣した調査団の団員2人が14日、中国政府による健康診断の不適格判定を理由に入国を拒否された。関係筋が同日、明らかにした。関係筋によると、調査団は空路で中国の武漢市に向かおうとしていたが、2人はシンガポールでの乗り継ぎ時に受けた血清検査でコロナ抗体保有が確認され、中国当局者によって搭乗を許されなかった。他の15人は予定通り14日に武漢に到着した。武漢は新型ウイルスの世界的流行の発生源とされる。関係筋の話では、シンガポールで搭乗できなかった調査団2人は、PCR検査では陰性の結果が出ていた。中国政府は、同国中部で初めて存在が確認された新型ウイルスの起源について疑問を呈する幅広い政治的宣伝を展開しており、調査の出だしで起きた今回の障害は、調査団を巡るすでに政治的に複雑な状況をさらに増幅させる結果になった。WHOと中国政府は調査団の活動について何カ月間も交渉し、調査は数回にわたって延期されている。WHOの研究者らは、中国の科学者らと協力して進めるべき取り組みの中で、彼らがどのような成果を挙げたのか明確に分かっていないと語った。