◆すべては高品質のネギをつくるために
◇ネギの顔色を見ながらケアする

 高い品質と生産のために、著者は「土寄せ」の作業を大事にしている。土寄せとは、ネギの成長段階に合わせて、茎元に土を寄せる作業だ。土を飛ばしてネギの周辺にかける機械である「管理機」で行う。この機械は本来前向きに進むものであるが、著者の会社では独自に改良を加え、後ろ向きに進むようにしている。

 前進しながら作業をすると、せっかく耕した土を自分で踏みしめて、圧をかけることになる。そうして固くなった土は、乾燥しにくくなり、雑草が育ちやすくなってしまう。土をフカフカに保っていてれば、雑草を生やさずに済む。だから、「自分が踏んだあとを耕す」という順番を徹底しているのだ。

 土を飛ばす刃の部分にも改良を加えた。市販のものよりも広範囲に土をかき混ぜることができるようにし、刃の向きや方向も微調整ができるようになっている。

 一般的な農家では土寄せを3~4回しか行わないが、著者の会社では成長段階に合わせて管理機の微調整も行いながら、7~8回は土寄せを行うという。これこそが、ネギの質を決める肝だと考えているためだ。

 一般的な農法ではネギの上部まで土を寄せ、ネギの下の方の葉には土をかぶせて枯らしてしまう。しかし、著者は「ネギの顔色を見ながら、気づかれないくらいに少しずつ」土寄せをし、全ての葉を枯らさずに残している。多くの葉で光合成をしたネギは太り、うまみを増していく。

◆部活のような会社をつくりたい
◇農作業を「競技」にする

 最後に、著者が会社の生産性を上げるために行っている組織づくりについて紹介する。収穫や出荷の作業は、単調な作業が続くことになる。これをいかに従業員にノリノリにやらせることができるかが、チームプレーに強い著者の腕の見せ所だ。