文在寅氏は、慰安婦問題については被害者中心主義に立つべきだとしている。しかし、元慰安婦の中心人物である李容洙(イ・ヨンス)氏が、尹正義連前理事長が寄付金横領などの不正を行ってきたことを暴いたときも、文在寅氏は尹氏をかばう姿勢を取り続け、尹氏はいまだに国会議員を続けている。文在寅政権がこれまで政権の不正のもみ消しにどれだけ強引な手段で臨んできたか、米国も知っているはずである。政権のすることは「ロマンス」、反対側のすることは「不倫」というネロナンブル(韓国ではやっているダブルスタンダードを意味する造語。「私がやればロマンス、他人がやれば不倫」の意味)の行動は民主主義国として許されないはずである。

 そればかりでなく、尹氏はこれまでの行動を反省せず、コロナ禍にもかかわらず元慰安婦の誕生祝いを口実にワインパーティーを楽しみマスコミから批判された。このような人をかばう文在寅政権に正義はあるのだろうか。

 文在寅氏が真に被害者中心主義を言うならば、尹氏らが横領した莫大な寄付金を回収し、元慰安婦が安らかな老後を送れる環境を整備しなければならないはずである。しかし、文在寅氏は元慰安婦よりも自分に近い市民団体の側に立っているのである。

ご都合主義の
韓国の人権意識

 バイデン氏は中国やロシアと対抗する上で民主主義国の協調を重視し、民主主義国の首脳会談の開催を考えているようである。そのため、日韓の政治的対立は不都合であり、日韓両政府に関係改善を求めてくると思われる。そこで障害となるのが、慰安婦問題、徴用工問題である。また、米韓間では、米議会で問題となっている韓国による対北朝鮮ビラ禁止法が取り上げられよう。

「2007年に盧武鉉政権が、国連の北朝鮮人権決議案の採択を前に北朝鮮に意見を求め、賛成投票に反発する回答を受けたのち、棄権を決めた」と当時の外交通商部長官だった宋旻淳(ソン・ミンスン)氏はかつて回想録で明らかにした。政府内で決議案に賛成と棄権で意見が分かれ、当時大統領秘書室長だった文在寅氏が、北朝鮮に意見を聞こうとして議論を引き取ったという。