人生100年時代といわれる現代では、65歳以上の「5人に1人」が認知症になる時代ともいわれています。いまだに特効薬が開発されていない認知症ですが、リスクを下げる方法はあります。それは「奥歯」を抜かないこと。実は、「奥歯を守ること」は、認知症予防に大きく貢献するのです。そこで今回は、神奈川歯科大学大学院歯学研究科教授の山本龍生さんの著書『ボケたくなければ「奥歯」は抜くな』(青春出版社)から、奥歯と認知症の意外な関係を解説します。
奥歯を失うとなぜ認知症になりやすいのか
そもそも、なぜ奥歯を失うと認知症になりやすいのでしょうか。その主な理由は次の3つです。
(1)奥歯で噛まないと脳への刺激が減る
奥歯を使ってよく噛んで食べると、歯根のまわりや頬の筋肉が刺激されます。それらの刺激は神経を通じて脳に伝わります。それによって脳の血流も良くなり、脳細胞が活性化するのです。
逆に、奥歯を失い、奥歯を使って噛まなくなると、脳の細胞が刺激されず、脳が老化して、認知症になりやすくなるわけです。