「舌」を観察するだけで、
自分の体調が客観的に分かる
中城歯科院長。1984年東京歯科大学卒業、88年に日本大学大学院歯科放射線学教室にて歯学博士取得後、中城歯科医院院長に。2003年、鍼灸師の国家資格を取得。日本で唯一の口臭治療専門の歯科医。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などのメディアに多数登場している。
中城歯科のサイト https://www.nakajo-dental.com/
中城基雄のオフィシャルサイト https://www.nakajomotoo.com/
「口の中は、その人の体質や健康状態など、さまざまな情報が集まっています。特に、舌は変調のサインが真っ先に表れる場所なのです」
口臭治療を専門とする中城歯科院長・中城基雄医師はこう話す。東洋医学にも精通している中城先生は、歯だけでなく口の中全体を観察する。東洋医学では体調を見る際に全身にサインが表れるが、特にそのサインが集中するのが口の中。舌の色や形、口臭から、その人の健康状態や、体質、なりやすい病気が分かるのだという。
「東洋医学では『気』『血』『水』で体調を見るのですが、口の中はこの3つがそろっている唯一の組織です。血は血流状態を指し、舌の色や静脈を、水は水分量で唾液の量や舌の潤い具合を見ます。気は自律神経で舌の動きや形状から分かります」
「理想の舌」は、淡いピンク色で少し白いコケがついている状態。小学校低学年くらいまでの多くの子どもが持つ舌だ。しかし、私たちの舌は年齢を重ね、独自の生活習慣が積み重なることで、徐々に色や形が変わり、体調に変化が表れるようになる。
つまり、舌を観察することで自分の体調を客観的に把握することができるのだ。中城医師が分類する口の中のタイプは、大きくわけて5つある。
(1)カッカッ熱化タイプ、(2)ネバネバ湿化タイプ、(3)カラカラ乾燥タイプ、(4)ドロドロ血流タイプ、(5)ギザギザ浮腫タイプ、だ。
そこで、5つのタイプの特徴について、それぞれ中城医師に解説してもらった。タイプごとにオススメの食材もある。
舌を見る時は太陽の光の下が最適だが、室内で見る場合は白熱球と蛍光灯が両方点いている光の下がいい。舌の大きさ、形、コケの色、舌の裏の静脈など、鏡を見たり、家族で互いの舌を見比べてみたりしてほしい。