「なぜ、日本ではユニコーン企業がなかなか出ないのか?」――。
この疑問への1つの回答となるのが田所雅之氏の『起業大全』(ダイヤモンド社)だ。ユニコーンとは、単に時価総額が高い未上場スタートアップではなく、「産業を生み出し、明日の世界を想像する担い手」となる企業のことだ。スタートアップが成功してユニコーンになるためには、経営陣が全ての鍵を握っている。事業をさらに大きくするためには、「起業家」から「事業家」へと、自らを進化させる必要がある、というのが田所氏が本の中に込めたメッセージだ。本連載では、「起業家」から「事業家」へとレベルアップするために必要な視座や能力、スキルなどについて解説していく。

人材採用の費用対効果を高める15のマトリクスPhoto: Adobe Stock

勝ち筋となる採用チャネルを見つける

 人材の採用で重要なことは、自社にとっての勝ち筋になるような採用チャネルを見つけることだ。

 まずは、共感を生むようなコンテンツ発信やSNSでの投稿から始まり、活動や考え方に興味を持ってもらう。そこから関係を強化していって、採用や応募に持っていくという流れだ。

 あらゆるチャネルに手をつけてしまうと、どれも中途半端になってしまうので要注意だ。SNSもユーチューブもウォンテッドリーも、ブログも全部やると意気込んでやっても、結局リソースが足りずに、持続できずに終わってしまうケースが見られる。

 マーケティングで言うところのプロダクト・チャネル・フィット(一つか二つでも良いので、自社のプロダクトとフィットしたチャネルを見つけることができた状態)と同様に、採用チャネルにおいても、プロダクト・チャネル・フィットを目指していく。