常に改善する

 改めて、採用施策についてまとめてみよう。下図表は、ファネルごとの施策の優先順位を高い順から◎、○、△、×で示したものだ。

人材採用の<br />費用対効果を高める<br />15のマトリクス田所雅之(たどころ・まさゆき)
株式会社ユニコーンファーム 代表取締役社長
1978年生まれ。大学を卒業後、外資系のコンサルティングファームに入社し、経営戦略コンサルティングなどに従事。独立後は、日本で企業向け研修会社と経営コンサルティング会社、エドテック(教育技術)のスタートアップの3社、米国でECプラットフォームのスタートアップを起業し、シリコンバレーで活動する。日本に帰国後、米国シリコンバレーのベンチャーキャピタルのベンチャーパートナーを務めた。日本とシリコンバレーのスタートアップ数社の戦略アドバイザーやボードメンバーを務めながら、ウェブマーケティング会社ベーシックのCSOも務める。2017年、スタートアップの支援会社ユニコーンファームを設立、代表取締役社長に就任。著書に『起業の科学』(日経BP)、『御社の新規 事業はなぜ失敗するのか?』(光文社新書)、『起業大全』(ダイヤモンド社)がある。

 採用の評価のしかたは、手軽さ、効果が出るまでのリードタイム、採用効果、ディフェンシビリティ・アセット効果に分けている。

 採用時にやるべき施策については、サイドプロジェクト、経営者自身のブランディング、SNS発信(フェイスブック、ツイッター)、自社採用ページ、人事オウンドメディアなど15に分け、両者の交差するところに◎○△×をつけていく。

 同時に、フェーズごとに分けたとき、どの施策を行うべきかについても見ていく。Pre-Seed時期など、アーリーステージの段階では、ペイドチャネルにはお金をかけず、ノン・ペイドチャネルで何ができるのか考えていく。

 主に、サイドプロジェクト、経営者自身のブランディング、SNS発信(フェイスブック、ツイッター)などから行っていく。

 サイドプロジェクトからリファラル採用までは、組織的な採用チャネルを活用していくことになるため、コンテンツを貯めていく、いわゆるStock型の採用が求められる。課題としては、ペイドチャネルに比べて採用効果の即効性には欠ける。

 エージェント採用や求人広告は、即効性はあるが、継続的に採用する場合には打ち続ける必要もあり、自社にノウハウがたまっていかない。

 一方で、ダイレクトリクルーティングやリファラル採用は、即効性は低いがノウハウや、コンテンツがストックされるという利点がある(ただし、自社で運用のためリソースがかかる)。