社会を変えたいという強い意志と行動力を持つ若者たちは、どのように育ってきたのか。今回は日本とチェコにルーツを持つ岩澤直美さん。日本、ハンガリー、ドイツで育ち、“ハーフ”として経験してきた文化的な衝突を基に、高3で異文化理解教育に取り組むCulmony(カルモニー)を設立。多文化共生社会の実現を目指しています。(聞き手/ダイヤモンド編集部論説委員 深澤 献)
「外人、はよ自分の国に帰りや」
小学校時代の異文化衝突
――ご家族は?
父は日本、母がチェコ出身です。三つ下の弟は中高大と私と同じ学校で、今は大学生兼YouTuberをしていて東京にいます。14歳下の妹はドイツ生まれで、今は母と一緒にチェコのプラハで暮らしていて、日本語ができません。
――ハーフ、ダブル、ミックスなど表現は幾つかありますが……。
ハーフという言葉に特に抵抗はありませんし、自分でも使っているのでそれで構いません。
父は香川出身の日本語教師で、転勤を繰り返すうちにチェコで母と知り合いました。私はチェコ生まれですが、出生後半年で日本に戻りました。当時、母は日本語を勉強中でしたが、それでも十分には話せないまま、大阪でも和歌山寄りの田舎へ引っ越してきました。家での会話は日本語でした。
その後、幼稚園の年長から小学校1年生の途中まで2年間、ハンガリーにいました。自己紹介では「日本とチェコから来ました」と言って、ルーツのある国旗をバッジにするという企画では、半分を日の丸、半分をチェコの国旗にしたのを覚えています。