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2021年がスタートして、もうすぐ1カ月。いきなり緊急事態宣言に再突入し、我が家の家計はこの先どうなるのか戸惑っている家庭も多いだろう。コロナが収束したらすぐ元通り――には、なりそうもない。しかし、たとえコロナ禍でも、それに応じた「貯め方」はある。確実にお金を増やすには、家計の変化を知ることが肝要だ。(消費経済ジャーナリスト 松崎のり子)

家庭の支出は減ったはず…なのに貯まってない!?

 果たしてコロナによって家庭の支出はどう変わっているのか。

 総務省統計局「家計調査報告」のうち、2人以上の勤労世帯の「基礎的支出・選択的支出の推移」を見ると興味深いことがわかった。なお、基礎的支出とは必需品的なものを意味し、食料、家賃、光熱費、保健医療サービスなどが当たる。選択的支出とはぜいたく品的なもので、教育費、教養娯楽用耐久財(パソコンなど)、交通費(定期代別)、パック旅行費、映画入場料やスポーツ鑑賞料などが該当する。

 2020年分の選択的支出の変化を見ると、3月は前年同月比(実質)で-15%、4月は-20%、5月は-25.5%と、マイナス幅が大きい時期は「ステイホーム」を呼びかけられていた時期とぴったり重なる。さらに、7月(-19%)、8月(-14%)、9月(-12.3%)と、夏休み~秋の連休に当たる時期の選択的支出も大きく減っている。

 例年なら最も消費マインドが上がりやすいはずの、新生活シーズンからGWを含む時期、そして夏~秋休み期間に、「不要不急の消費」は前年よりも1~2割も減少していたわけだ。

 では逆に基礎的支出がその分増えたかといえば、数字上はそうでもない。増えた月でも10月の5.9%が最大だ。差額は使われなかったことになるが、そのお金は家庭内ではどうなっているのか。

 選択的支出は、家計簿でいえば季節ごとに発生する「特別支出」に当たるだろう。帰省や海外旅行、レジャーにかけていたお金が浮いたとすれば、その分は余裕分としてきちんと生活口座等に残っているだろうか。残っていないなら、その原因は何か。残業代やボーナスなど収入自体が減ってしまったのか。減収がなかったというのなら、その分消費が増えたということになる。自分の家計がどうだったのか、まず確認してほしい。