中国の「戦狼外交」がバイデン政権下で復活する最悪シナリオの中身
バイデン政権が発足。米中関係はどうなるのでしょうか Photo:Pool/gettyimages

バイデン政権が発足
「脱トランプ」が始まった

 米国でバイデン政権が発足した。

 首都ワシントンD.C.は、戒厳令が敷かれたかのような徹底警備の下、1月20日の就任式当日を迎えた。また何らかの形で政治の大舞台へ帰ってくる意思を示唆したトランプ前大統領は、就任式には出席しないまま、ホワイトハウスを後にし、フロリダ州にある自らの別荘へと飛び立った。一方、ペンス前副大統領は、4年間苦楽を共にしたトランプ氏の退任式には同伴せず、逆にバイデン氏の就任式へと出席した。

 トランプ氏が実質扇動する形で発生した連邦議会への乱入事件は、政権移行期にあった米国政治を混乱させ、米国が堅持してきた民主主義という制度の生命力、価値観の信用力が内外で疑問視される結末となった。トランプ政権の退陣が決まった最終段階であるにもかかわらず、閣僚やホワイトハウス高官の相次ぐ辞任、そして何より、ペンス氏の姿勢が、トランプ政権の瓦解を意味していた。

 ペンス氏がトランプ氏に対して明示した「拒絶」、ツイッターやフェイスブック社が取ったトランプ氏のツイッターアカウントへの停止措置などから、米国政治に一種の「レッドライン」が存在している現状も垣間見えた。米国憲法に公然と忠誠を宣誓した大統領たるもの、やっていいことといけないことがあるということだろう。法律的に、倫理的に、である。それに背いたトランプ氏は、米国史上初めて、在職中に2回弾劾訴追された大統領となった。

 これらの騒乱を経て、20日、コロナ禍の政権移譲は平和的に進行した。就任演説で民主主義や団結を強調し、「脱・トランプ」を訴えたバイデン氏は、公約通り、初日から気候変動に関する「パリ協定」回帰や世界保健機関(WHO)脱退撤回といった大統領令に署名した。