ストリーミング配信はあっという間にハリウッドを席巻した。映画業界はそのあおりで新たなビジネスのやり方を急いで模索し、誰を責任者に据えるか、どのような契約を結ぶか、俳優たちの報酬をいかに支払うべきかを見直している。映画会社は経営上層部を入れ替え、事業開発やテクノロジー、戦略の分野に精通した幹部を重用し始めている。プロデューサーや監督、ウィル・スミス氏やトム・ハンクス氏のような俳優陣は、劇場チケットの売れ行きに基づかない新たな契約方法で自分たちの利益を守ろうとしている。新型コロナウイルスの影響で米国の大半の映画館が閉鎖される一方、映画会社は数十億ドル分の未公開映画を抱えている。そのため親会社は動画配信サービスに最大の成長機会を見込んでいる。コムスコアによると、昨年の北米興行収入は22億8000万ドル(約2361億円)にとどまり、2019年の114億ドルから大きく縮小した。