【香港】ジョー・バイデン米大統領は同盟国と連携して中国に対する圧力を維持する考えを示している。だが、ここ数年で中国が影響力を増している世界貿易機関(WTO)では大きな抵抗に直面しそうだ。  歴代の米政権はWTOへの懐疑的な見方を強め、加盟国間の紛争解決にあたる上級委員会の委員(判事に相当)就任を阻止するなどしたことで、国際社会の通商問題を解決するWTOの仲裁機能はほぼ失われた。  こうした中、WTOと最高裁に当たる上級委の「擁護者」を自認する中国は、組織内での地位が高まった。そのことが国家主導経済の変革を迫る各国からの要求をかわすのにも役立っている。