超訳 孫子の兵法 「最後に勝つ人」の絶対ルールPhoto:PIXTA

「孫子の兵法」は、欧米のビジネス・スクールでも「戦略書の原典・原点」として取り上げられる、ビジネスパーソン必読の実益書だ。東洋思想研究者・田口佳史氏の著書『超訳 孫子の兵法 「最後に勝つ人」の絶対ルール』からの抜粋で、現代のビジネスシーンに当てはめ孫子の教えを超訳した、「ビジネスで勝つ」テクニックをお届けする。

「孫子の兵法」は
ビジネスパーソン必読の“実益書”

「強者になるには一定の法則がある」

 これは、40年以上、中国古典と向き合ってきた私が得た結論です。

 25歳のときに出会った「老子」と「論語」。それを入り口に、四書(大学・論語・孟子・中庸)五経(易経・書経・詩経・礼記・春秋)から法家や「墨子」、「孫子・呉子・六韜・三略」の兵法書、宋学・陽明学などの中国古典を読み、講義するようになりました。

 私はこれら古典を研究対象としてというよりも、むしろ「人生のガイドブック」として読み、さらにそれをわかりやすく生徒に語ることをモットーに講義を続けてきました。

 みなさんは、何かを求めて私の講義に来られるわけで、私はそれに何とか充分に応えなくてはいけない。これを毎日、40年以上やってきたわけです。

 そして気づいたのは、驚くべきことにこれらの古典は「人生全般」について述べている、ということ。抜け落ちが全くないのです。

 したがって、それをほとんど毎日講義している私は、毎日人生を、生き方を学んでいるとも言えるのです。

 実は、教えている私がもっとも得をしているのかもしれません。