その中で、試しにあるテロ指導者を「排除」してみると、興味深い現象が起きた。テロネットワークの中で、その指導者の座にすぐ新たな後継者がついて、米国に対する脅威度が減るどころか、さらに高まったのだ。後継者は自分のカラーを出すため、前の指導者より過激な行動に走ることも多いからだ。

 これこそ、米国がテロ指導者を次々と殺害・拘束しても、反米テロが根絶できない根本的な理由だ。テロを解決するには、個人を排除するよりも、テロを引き起こす構造的な問題に目を向けなくてはいけないのだ。

 これは政治だけではなく、日本社会のあらゆるところで噴出している「老害」や「長老支配」という問題にも、そのまま当てはまる。森氏や二階氏や麻生氏という高齢リーダーを叩いて、権力の座から引きずり下ろしたところで、日本は世界一の高齢化社会なので、後継者は山ほどいる。次から次へと「第二の森喜朗」「第二の二階俊博」が現れてくるのだ。

 それはつまり、テロ指導者を次々と排除しても、テロを撲滅できないのと同じで、問題を起こした高齢リーダーを次々と引退に追い込んでも、長老支配を撲滅できないということでもあるのだ。

高齢者の「政治免許返納」を
真剣に検討すべきでは

 では、どうすればいいのか。いろいろなご意見があるだろうか、個人的には、高齢者の「政治免許返納」を真剣に検討すべきではないかと思っている。

 70歳など、ある程度の年齢までいった高齢の方は、議員などの政治の表舞台から潔く引退していただく。さらに、五輪のような税金が投入されるような公共事業への関与も遠慮していただく。つまり、税金を費やす政治の「プレーヤー」になる資格(ライセンス)を自主的に返納してもらうような制度を、新たに設けるのだ。