東京駅がいま大きく変化しています。丸の内側は東京駅の丸の内駅舎の保存・復原工事が完成し、古くて新しい日本を代表する駅が誕生しました。一方の八重洲側では百貨店の大丸が増床オープン。にわかに駅は活気を取り戻し、一足先にオープンしている東京駅地下のグランスタにも、連日たくさんの人が訪れています。東京駅がひとつの商業施設として注目され始めました。
東京駅の歴史的な変化――。そこには、これまでの東京駅の歴史と伝統を踏まえた革新的な取り組みがありました。オープンしたばかりの東京駅がどう変わり、どんな価値を私たちにもたらしてくれるのか。街歩き・店歩き歴21年の筆者がコンサルタントの視点で東京駅の見所を探ります。
東京駅復原の意味
10月に入ってから連日のように、東京駅の丸の内側にたくさんの観光客を目にします。朝から駅舎の写真を撮る人やキャンバスを立てて絵を描く人、家族でビデオ撮影をする人、カップルで待ち合わせをする人――。これまで、東京駅周辺でこのような光景を見たことはありません。
私の勤務する会社の東京事務所は、東京駅丸の内北口を出てすぐ目の前にあるため、毎日東京駅の変化を見ることができました。どのような姿となって生まれ変わるのかに注目していたのですが、まさに、建設された当初の姿として見事に復原されました。
なにより、立ち姿が非常に美しい建物です。夜のライトアップされた姿は一見の価値があります。しかし、東京駅を駅舎外観だけで語るのはもったいない。そう思わせるほど、復原工事を経て、内面的な新しい取り組みが多数見られる建物に変わりました。