ゲームストップの急騰劇に代表される個人投資家の株取引ブームで、米株式市場が「ダーク」な様相を強めている。ローゼンブラット証券によると、米国では証券取引所を通さない株取引の割合が1月に47.2%と、前年同月の39.9%から上昇し、過去最高に達した。こうした取引所を経由しない「ダーク取引」の割合は2020年前までは、長年4割をやや下回る水準で推移していた。だが最近では、全体の半分以上を占める日も出てきている。昨年12月23日に初めて半分を超えて以来、1月は3回、今月9日には1日としては過去最多となる50.5%に達した(ローゼンブラット証券調べ)。背景には、新型コロナウイルス禍で自宅待機を余儀なくされ、手数料無料の株取引アプリを武器に株投資に殺到した個人投資家の存在がある。個人投資家を相手にする株取引アプリを手掛けるロビンフッド・マーケッツなどのネット証券は、シタデル・セキュリティーズやバーチュ・ファイナンシャルなどの電子トレーディング会社に顧客の注文の大半を回送する。これらのトレーディング会社は通常、ニューヨーク証券取引所やナスダック証券取引所を介さず、個人投資家の売買注文を自社で付け合わせて執行する。投資家は大手取引所を介した場合よりも、シタデルやバーチュの方がやや有利な価格条件で売買できることが多い。
株「ダーク取引」急増、ゲームストップ騒動で鮮明
米国では証券取引所を通さない株取引の割合が半分を超える日も
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