ウォール街から遠く離れた、主要な証券取引所が企業に用途未定の資金調達を認めていない地域で、ブランクチェックカンパニー(白地小切手会社)ブームが起きている。中国本土や香港、シンガポールでは、大物実業家や資産運用会社が支配権を持つ投資会社が過去1年に、特別買収目的会社(SPAC)を通じてニューヨーク証券取引所(NYSE)やナスダックで合わせて数十億ドルの資金を調達している。これは、SPACの人気がいかに広域に及んでいるかを示している。SPACとは、民間企業に投資したり、民間企業と合併したりするための資金プールを準備した上場ペーパーカンパニーを指す。投資銀行は、スタートアップ企業が手軽に上場できる手段とうたっている。SPACが期限(通常2年)までに合併対象企業を見つけられなかった場合、投資家は資金を返還してもらえる。