先端的なプロダクトデザイナーの起用
まず、パッケージデザインに関して。前回でも触れましたが、創業当初から著名なプロダクトデザイナーのカリム・ラシッドを起用したことで、メソッド・デザインのアイコン化は一気に加速しました。現在ではさらに進化し、カリム事務所にも勤務経歴のあるジョシュア・ハンディが担当し、切り盛りしています。
ちなみに、カリムがデザインしたボトルにはすべてKarimのサインが入っています。カリム・ラシッドをご存知でない方は、どれだけのデザイナーであるか(好き嫌いはあるかもしれないが)、ぜひ検索してみてください。あのデザインもこのデザインも、という感じで意外と身近にあったりします。
はじめは、ターゲットのバイヤーに気に入られたいという目論見が多分にあったのでしょうが、カリム・ラシッドをデザイナーとして起用したことで、企業としてのデザインポリシーが充実したことは間違いありません。
鮮やかな着色料も、安全で生分解可能な成分
次に、カラーリングです。こんな鮮やかな色ばかりで環境にいいはずがないだろうとのお叱りを受けそうですが、メソッドの使う着色料は、科学的にも環境負荷をかけない安全で、かつ生分解可能な成分しか使用していません。そのことを、メソッドでは分子レベルにわたって説明しています。
ただし、その配合などの成分構成の仕方については企業秘密。私は今まで、パッケージデザインでも、カラーリングでも、見た目で「これはカッコいいね」とか「飾ってみたいね」と思ったことはありませんでしたが、この洗剤らしくない洗剤に関わりはじめたことで、考え方がまったく変わりました。このカラーリングに関しては、サリー・クラークが担当。前述したパッケージデザイナー、ジョシュア・ハンディの妻でもあります。
フレグランスに関しては、世界三大調香会社の一つであるフィルメニッヒ社出身のカリスマ調香プロデューサー、スザーン・マコーミックを代表とする調香チームによって様々な香りが作られています。昨今の洗剤等のフレグランスブームは、実はメソッドがベンチマークとされて流行ってきたといっても過言ではありません。たかが洗剤かもしれませんが、それにトップレベルの調香を採り入れたのはおそらくメソッドが最初だと思われます。