どこまでもエコ、飾りたくなるほどクール。楽しくない掃除の時間をまったく新しい体験に変え、たった10年で大企業の寡占市場に風穴を開けたアメリカの洗剤会社メソッド。先端的なエコとデザインを両立させ、いまや21世紀のビジネスモデルとして注目される同社の企業カルチャーと経営哲学について、同社をよく知る平野雅仁さんに明らかにしてもらいます。

「洗剤」と「アメリカ」のキーワードから連想するもの

 「洗剤」と「アメリカ」というキーワードを聞いて、みなさんは何をイメージしますか?P&Gやユニリーバといった、いわゆる多国籍企業と呼ばれるコングロマリットでしょうか?それとも、アムウェイなどのネットワーク販売型ビジネスでしょうか?あるいは、「ダウニー」や「タイド」の商品名などで知られる洗剤の大型パッケージでしょうか?

 日本でも世界でも洗剤業界は市場の寡占化が進み、商品の高機能化による同質化、いわゆる「コモディティ化」の流れもあって、業界的には頭打ちの印象を持たれる方が多いと思います。

 しかし、そんな業界に風穴を開けるような急成長を遂げているすごい会社があります。それが、ここでご紹介するメソッド(method)社、アメリカはカリフォルニア州サンフランシスコ生まれの洗剤会社です。洗剤メーカーが持っている既存のネガティブなイメージを一掃し、業界に新風を巻き起こしている新感覚の洗剤会社でもあります。

 洗剤をつくっている会社が「世界で最もイノベーティブ」、あるいは「メソッド革命」とまで言われるのはどうしてなのか。そのゆえんたるビジネス哲学を少し垣間見てみませんか。安全性をアピールするために、トイレ用洗剤を記者の前で飲んで見せるような若い創業者です。いったいどんな人物なのでしょうか。さらには、面倒な掃除の時間を魅力的な活動に変えるための方法も教えてくれます。これらをひっくるめて知りたい方は、ぜひこの先をお読みください。