米食品スーパーチェーンが賃上げ圧力にさらされている。新型コロナウイルス流行が始まって1年近く経つ中、自治体の間で最前線で接客に当たる店員らに対して特別手当ての支払いを継続するよう求める動きが広がっているからだ。シアトル、カリフォルニア州ロングビーチなどの都市では、スーパー従業員に上乗せ手当ての支給を義務づける新たな規則が制定された。ロサンゼルスなども、レジ係りなど接客スタッフ、袋詰め作業者など感染リスクにさらされる従業員を支援する同様の規則を検討中だ。スーパー側からは、そのコストが消費者に転嫁されることになるとして反発の声も上がっている。業界幹部らは、新たな賃上げルールにより、営業コストは約3割も増え、すでに低い利益率がさらに圧迫されると主張している。賃金引き上げ幅は、時給ベースで最大5ドル(530円)に達する。クローガーなど大手チェーンの一部は、特別手当てが義務づけられる地域では店舗を一部閉鎖することになるとの見方を示す。一方で、食品の値上げやレジなどのサービスを削減する可能性があると警告するチェーンもある。