NECがスイス大手金融IT買収
金融DX強化に2380億円

 2020年のIT・ソフトウエア業界で取引金額が最も多かったのは、NECがスイスの大手金融ソフトウエア企業のアバロック(Avaloq)・グループを買収すると発表した案件。世界規模で進展する金融DX領域の事業強化につなげるのが狙いで、同社を傘下に置くオランダの持ち株会社の全株式を2021年4月までに約2380億円で取得する。

 アバロックは金融資産管理向けソフトウエアで欧州やアジア太平洋地域で高いシェアを持ち、顧客は世界30カ国150社を超えるという。

 金融業界のデジタル化はデジタル経済社会の持続可能な発展に幅広い影響を及ぼすとみられており、NECはアバロックの買収によりデジタルファイナンス領域のソフトウエアの知識を獲得し、NECが強みとする生体認証、AI(人工知能)技術、ブロックチェーン(分散型台帳)技術などを組み合わせ、新たな金融サービスの開発を目指す。

 金額の2番目は投資ファンドのインテグラルが、傘下企業を通じてシステム構築・開発支援を手がける豆蔵ホールディングスに対するTOB(株式公開買い付け)を実施し非公開化すると発表した案件。MBO(経営陣による買収)の一環で、買付代金は最大約344億円。

 金額の3番目は投資会社のアント・キャピタル・パートナーズが、スカラ傘下で営業支援サービスを提供するソフトブレーンをTOBなどで完全子会社化すると発表した案件。TOBの買付代金は約127億円で、TOB成立後にソフトブレーンがスカラ所有の全株式を約105億円で自己株取得するため、合計の取引金額は約232億円に達する。

 クロスボーダーで金額が最も多かったのはNECによるアバロックの買収で、2番目はサン電子がイスラエル子会社を通じて、サイバー攻撃発生時などに電子機器に残されたデジタル証拠を収集・分析するデジタルフォレンジック事業を手がける米ブラックバッグ・テクノロジーズの全株式を取得すると発表した案件だった。

 サン電子は約38億円を投じて、米国の有力企業を傘下に取り込み、世界的なリーディングカンパニーとしての地歩を固める。

掲載号/ダイヤモンドMOOK M&A年鑑2021

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