環境政策を意識する石油メジャーと急成長事業を席巻している電力会社の間で、クリーンエネルギー資産の争奪戦が起こりつつある。再生可能エネルギーを巡る目標を引き上げるエネルギー企業が相次ぐ中、ポルトガル電力公社(EDP)も先週、2025年までに再生可能エネの生産能力を倍増させる計画を発表した。市場は次第に混戦模様を呈し、将来を見据えた電力会社ばかりでなく、欧州の石油・ガスメジャーも参入している。後者のうち英石油大手BPは2月、英国で1.5ギガワット規模の洋上風力発電のリース権を2件獲得した。同じ入札で売却された類似規模のリース権に比べ、2倍近い価格を提示して競り落とした。向こう1年間に世界で実施される一握りの入札では、こうした新たな競争力学が一段と試され、おそらくリスクが浮き彫りになることだろう。投資家への将来のリターンは、企業が分別ある価格を払っているかどうかに左右される。